2012年10月31日水曜日

エル・グレコ

エル・グレコ展に行って来た。
このポスターの絵『聖ラウレンティウスの前に現れる聖母』もそうだけれど、幻視の絵がたくさんある。『聖母の前に現れるキリスト』、『聖マルティヌスの夢』、『フェリペ二世の栄光』、『福音書記者聖ヨハネのいる無原罪のお宿り』。特に最後のものは、観る者が聖ヨハネの位置にいて、あたかも一緒に幻視を観ているような気にさせる。当時の反宗教改革の中での、神秘主義的傾向の影響か。イエズス会のロヨラとかザビエルとか、関係があるのだろうか。そして、十字架の聖ヨハネ。要探求である。
帰りがけに、ちょっと川端北をを堂島の方へ行ったら、福沢諭吉生誕の地があった。説明に「大教育者」と書いてあって、ちょっと微笑。

2012年10月27日土曜日

センチメンタル・テールズ

昨晩は、大阪梅田第二駅ビル某所にて、作戦会議。参加者:下田さん、村上君、小島さん、石上君、Tazzさん、そしてわたくしめ。みな、シンケンに、喧々諤々、鳩首凝議、百家争鳴、ひとまずの方向性画定である。
もういちど、下に引用します。

ヘールシュピール (ラジオドラマ) の諸相 ~ センチメンタルテールズ

ドイツ音響芸術の重要なジャンルであるヘールシュピールの紹介をまとまった形で行う日本で初めての試み
~ リュック・フェラーリの協力者として常に彼の創作活動に寄り添って来た、ブリュンヒルド・フェラーリ (Brunhild Ferrari) との共作として発表された一連の『センチメンタル・テールズ Contes sentimentaux』と、日本側でのヘールシュピールの創作例として、石上和也、かつふじたまこ、渡辺愛の電子音響作品も合わせて、このジャンルの多様な側面を紹介する ~

出演:ブリュンヒルド・フェラーリ、石上和也、かつふじたまこ、渡辺愛
日時:2012年11月17日(土) 開場(16:00) 開演(17:00)終演(20:40)
  *開演前にホワイエにて作品上演あり:Luc Ferrari / Brunhild Meyer:Music Promenade (1964-1969)
会場:ジーベックホール
   神戸市中央区港島中町7-2-1
   tel:078-303-5600
料金:2,000円(定員100名)
主催:センチメンタルテールズ上演委員会
予約問合せ:C.A.P. 078-222-1003/info@cap-kobe.com(担当:下田)
協賛:TOA株式会社
後援:同志社女子大学音楽学科、同志社女子大学音楽学科「頌啓会」
制作協力:株式会社ジーベック
協力:同志社大学今出川校地学生支援課、武蔵野美術大学、キャロサンプ、C.A.P.(芸術と計画会議)

2012年10月26日金曜日

ブログ

というわけで、最近ではちょっとでも暇があると、せっせとリュック・フェラーリのブログを書いている。よって、こちらが少々お留守になっていますが。しかし、後から後から書きたいことは出てくるものだ、フェラーリに関しては。ということで、ぜひぜひ、皆さん、こちらのブログを見た後には、そちらにも寄っていただきたい。(というか、こちらの読者の方が少ない、と思う(微苦笑)。)http://d.hatena.ne.jp/presquerien/

2012年10月23日火曜日

フェラーリのインスタレーション

同志社女子大学でのフェラーリ、インスタレーションのチラシです。

STのブログとツィッター

ST(センチメンタル・テールズ)のブログとツィッターが開設しました。さまざまな情報、プログラムについて、出演者について、聴き所、見所などが、続々とアップされます。乞うご期待。
ブログ:http://d.hatena.ne.jp/presquerien/
ツィッター:https://twitter.com/Ferrari1117kobe

2012年10月22日月曜日

金木犀

うちの金木犀が満開。とても、よい香りを辺りに撒いてくれています。少し前までは、夜来香が香っていたので、芳香のリレーですな。

2012年10月21日日曜日

ヤロウ

今日は天気もいいので、朝、校長先生にご挨拶に伺った後で、布引ハーブ園へ。そこで先日、解説を書いた近藤譲作曲《ヤーロウ》のタイトルのハーブを見つけた。
なるほど。頂上では、ドイツ・フェアというので、アコーディオン伴奏のヨーデル歌手という人の歌があった。もちろん、ドイツ・ビール飲みましたよ。そして、季節はコスモスなのであった。

アステアステ

昨晩は、Q2で「アステアステ・イン・コウベ」。インド古典音楽を日没から夜明けまで、一晩中やるという催し。しかし、ぼくは体力の限界で11時過ぎに退散。それまでに聴けたのは、野口昌彦(シタール)&池田絢子(タブラ)、平川麦(サロード)&上坂朋也(タブラ)、すずきなお(ヴォーカル)&カネコテツヤ(パカワジ)、紙芝居の東野健一さん、gumi(バンスリ)&吉田元(タブラ)まででした。どれも素晴らしいの一語に尽きる。即興音楽というものについて考えさせられた。後は、音楽にかけることについて、音の質について、音楽を感じることについて、などなど。下田さんは連日大変そう。アシスタントに卒業生の高橋さんが。なつかしい。

2012年10月20日土曜日

旧グッゲンハイム邸でのライブ

バールさんの旧グッゲンハイム邸でのライブ。アクトコーベの人たちが、多く参加していたとのこと(下田さん談)。ぼくはよく知らないのだが、大変にユニークな人たちの集まりである。出演者は以下の通り。Barre Phillips、斎藤徹、久田舜一郎、稲田誠、森本アリ、Haco、Hiros、石上和也、川崎義博、角正之、東野健一、白井廣美、佐久間新。グッゲンハイム邸も初めて行ったのだが、広い庭のついた(夜だったので海は見えなかったけれど)、とても気持ちのよい洋館である。最初のセッションで、三挺のベースと鼓が共演して(それにアリさんの「雑音」がからむ)、それが塩屋という伝統日本的な場所の西洋館で、西洋のベースと日本の鼓(謡)が聴こえてくるという、外と内がうまく対応しているような不思議な感覚だった。(Hirosさんのカレーの美味しさを言うのを忘れた。彼のレシピ通り作っても、自分ではうまくいかないのに、彼のは美味しい、なぜ?)

2012年10月18日木曜日

ダンディのベートーヴェン

ヴアンサン・ダンデイ『ベートーヴェン』(冨士原清一訳、新太陽社、昭和18年!)読了。以前に手に入れておいたもの。ダンディの反ユダヤ主義とか、王統派思想がよく現れている。まあ、ベートーヴェン(とワーグナー)への帰依もあるけどね。面白かったのは、106頁の注で「audition colorée」という言葉が訳者には、わからなかったのだろう、「音波を色彩に還元する実験会のことか?」と書いている。これは、いわゆる「色聴」のことだろう。ダンディも「synesthésie」という言葉は知らなかった(まだなかった?)と見える。そして、昭和18年の段階では、日本にはそんな言葉(概念も)なかったらしい。(今、ちょっとプチ・ロベールを引いたら、1872年には使用例があるらしい。ということは、ダンディの不勉強!ですな。『ベートーヴェン』の原著は1913年の出版である。)

2012年10月17日水曜日

バール・フィリップス

同女でバール・フィリップスの公開講座。直前には学部会議、直後に教授会、その上、今日は一時間目からの授業で、朝6時に家を出るという、なんというか我ながら鉄人並みのハードスケジュールであった。公開講座では、ちょっとした司会も。しかし、バールさんのコントラバスはやはり凄い。そして、常に「Right now」が大事だと言っていたのが、まさしく先日のケージ・コンサートで話したようなこととマッチしていて、おお、ここにも同じことを考えて実行している人がいる、と深く頷いたのでありました。それにしても、彼の音は、何というか、ほとんど官能的な(ベースの腹を撫でる彼の手!)音(音楽)への愛を感じるね。

バルトークと線量計

伊東信宏『バルトークの民俗音楽編曲』(大阪大学出版会)、片山杜秀『線量計と機関銃』(アルテスパブリッシング)両著ともご恵贈いただいていたのだが、今朝の通勤電車の中で読了。実に日本の音楽学(というかクラシック音楽をめぐる言説)の両極端のような二快著。かたや素晴らしい実証研究、かたや素晴らしい博識と社会への目配りである。このような著者たちがいれば、さしあたり「安心」な気も。伊東さんの学者としての完璧さは知っていたが、片山さんは、彼を知る友人から「オタク」と仄聞していたので、なかば半信半疑だったが、なかなか「まとも」な人ではないですか。とても気持ちよく早朝の通勤電車を降りたのだった。

2012年10月16日火曜日

入学手続き

下の子の入学手続き、試験に合格してくれたので。これで、ひととおり、何となくホッとした感じか。しかし、来年はスペインなので、彼女は一年間ブランクとなってしまう、どういう風になるのか。

SuperDeluxe

西麻布スーパーデラックスでのライブ情報。野田さんから。



2012年10月15日月曜日

Sentimental Tales

そろそろ、来月11月17日(土)神戸ジーベック・ホールでの「センチメンタル・テールズ」コンサートのさまざまな準備作業が本格始動である。情宣のためにこんな文を書いた。
「このたび、フランス現代音楽の巨匠リュック・フェラーリ(1929〜2005)の未発表作品を含め、彼の未亡人ブリュンヒルド・フェラーリの新作ほか、内外の電子音響音楽の野心作ばかり集めたコンサートを神戸で開催いたします。 今回はブリュンヒルド・フェラーリ女史御本人も来日され、さまざまな関連の催しも東京や関西各地で行われます。 ぜひ、この機会をお見逃しなく、御来聴頂ければ、さいわいです。」
詳しくは、下のチラシをごらんください。

そして、これがそのうらです。

2012年10月14日日曜日

山は山、川は川

今回の『ユリイカ』ケージ特集号に「山は山、川は川」という文章を寄稿したのだが、全くその意味が理解されないので、あきれている次第。《4分33秒》の持つ意味など、もうあらかた論じ尽くしているのではなかったのか。禅でもいいし、ダダでもいいし、アクションペインティングでもいいし、プロセスとしての音楽でもいいし、うんぬんかんぬん。と言っても……、先日の京都コンサートホールでのコンサートでも話をしたのだが、ケージ自身が強調していたことは「必ずここには複数の人間がいることが前提」ということだ。その時も言ったけれど、この曲は一人静かに自宅で楽しむ(そんなやつがいるとして)ものではなくて、華麗なる「コンサートピース」なのである(微苦笑)。ああ、そうそう、タイトルはケージの好きな大拙先生のお言葉です。少しだけ足が地面から浮いている……、まあ、でもそれが誰にも気付かれないところがよいのだ、として以て瞑することにしようか。

FB

今度のブリュンヒルド・フェラーリさん来日時の一連のもよおし(コンサート、講演会その他)のフェイスブック・ページを作った(というか下田さんが作ってくれたのですけれど)。みなさんに、そこへ行っていただき、「いいね」ボタンをおしていただくと、何かいいことがあるらしいのです。どうぞよろしくお願いします。アドレスは以下の通り。
http://www.facebook.com/pages/Contes-sentimentaux/292591437516523

2012年10月13日土曜日

人間ドック

恒例の人間ドック。疲れた……。

2012年10月11日木曜日

Pascal Dusapin

二時間強の通勤時間のうちに、Pascal Dusapin. Flux, trace, temps, inconscient - entretiens sur la musique et la psychanalyse, Editions Nouvelles Cécile Defaut, 2012 を読み終わる。しかし、得るところのなんと少ない読書だっただろう!デュサパンが癲癇患者だったこと、作曲しているときだけ安心していられること、これだけだ。音楽のこと、精神分析のこと、デュサパンの作品、ラカンのこと、などいろいろ教えられかと思って購入したのだったが、全然だめ。対話相手は、みなラカン派の精神分析者なのだが、これが……、なんだかなあ。確かに、売れっ子の作曲家で、こんなに若くしてコレージュ・ド・フランスの教授になって、デュサパンは「偉い」のかも知れないけど。こんなにへいこらしていていいのか。そして、デュサパン本人はもう、ほとんど何も言っていないに等しい。無駄な読書時間であった(というわけで、JR遅延の上に、疲労困憊が重なったのであります。)

2時間

JR遅れ、通勤2時間以上かかって、ただいま大学到着、疲労困憊。

2012年10月8日月曜日

戦後文学は生きている

海老坂武先生からご恵贈いただいた『戦後文学は生きている』(講談社現代新書)京都への2往復の間に読了。大岡昇平、坂口安吾、石川淳、丸山真男、安部公房、大江健三郎、深沢七郎らの作品は昔々に読んでいて、懐かしく思い出した。その他の作品も読んでみたいものばかり。梅崎春生、原民喜、中野重治などなど。しかし、森有正だけは、どうもピンと来ない。(まあ他にも、開高健、鶴見俊輔、小田実などもそうなのだが。)これは、どうも「体質」みたいなものであって、「合わない」んだね。先ほどの会津八一もそうだけれども、同じ現代短歌なら、どうしても釈迢空ということになる。(そんなに知っているわけでもないが。斎藤茂吉?うーん?)ともあれ、海老坂先生の「読み」には、教えられるところ大。このような「知識人」が、少なくなっている昨今、まさしく頼りになる存在だ。

礼拝・会津八一展

今日は今出川で礼拝。お話しとピアノ。その後、裏の相国寺で会津八一展をやっているのを見に行った。好ましいのだが、これという心を打つものがない。これはなぜでしょう。でも嫌いじゃないんですよ。むしろ好きなのだが。
相国寺はこんな広大な寺域である。なにしろ、何億という地代を払って同志社が土地を借りているのである。
中の塔頭の一つに「雁の寺」というのがあって、そこでは水琴窟が目玉らしい。

しかし、拝観はできないのであった。うーむ……。

2012年10月7日日曜日

芦屋だんじり

家の前の交差点のところをだんじりが通って行った。これは、打出神社のだんじりである。


ところで、これらの写真をアップしようとして携帯の写真を見ていたら、先日の三島駅新幹線ホームで見かけた看板の写真が出て来た。
12号車というでかでかした看板のところの柱には、「ここは12号車の停車位置ではございません」の文字が。どっちやねん!

ケージ×ビートルズ

「ケージ×ビートルズ」無事終了。高橋アキさんのピアノはいつでも素晴らしい。私たち参加の《ビートルズ1962-1970》も(多少の「事故」?はあったものの)なんとか無事に終わりました。聴きにきてくださったみなさまには感謝です。しかし、演奏する方もとても楽しませてもらいました。

2012年10月6日土曜日

ピアニストになりたい

岡田暁生『ピアニストになりたい!』(春秋社)遅まきながら読了。昨日は大学から直に京都コンサートホールのゲネプロ。その行き帰りに読み終わった。よく事実を調べてあって、ちょうどぼくの『狂気の西洋音楽史』が応用課題だとしたら、その基礎課題みたいな感じだった。でもこういう基礎的なこと、事実の積み重ね、実証主義が大事だよね。しかし、多少の誤植や誤りあり。特にパリコンセルヴァトワールの初期のピアノ教授の名前を、「ルイ・アダム」としているが、この人が《ジゼル》の作曲者アドルフ・アダンのお父さんだということを彼は知らなかったに違いない。つまり、「アダム」ではなく、「アダン」です。(まあ、かくいうわたくしめも、アドルフ・アダンの回顧録を読む前は知らなかったわけですが。ちなみに、この回顧録にはその頃のピアノ科のことなども書いてあって興味深い。)さらに言えば、重大な矛盾として、18世紀的な演奏観が19世紀になって産業革命的な機械的演奏観に取って代わられた、という全体の流れからすると、最初の方にあるシュナーベルの演奏法(20世紀)はチェルニーのそれと一致するというのは、(そしてチェルニーは18世紀的、古典派的演奏法だ)それに棹さしている、と思われた。もちろん、例外は常にある、と言えばおしまいだが、その辺りの一筋縄でいかない反論理的な部分に音楽の面白さがある、というところまで踏み込んで欲しかった。

2012年10月5日金曜日

金木犀

この間の台風の時に、この樹が倒れないようにと家の中に入れたのだが、それで気が付いた。一ヶ所だけ、花が咲いている。不思議ですね。いい香りがします。

2012年10月4日木曜日

おばけずき

泉鏡花『おばけずき』(東雅夫編、平凡社ライブラリー)読了。鏡花のスタイルはいつ読んでも心地よい。(でもよくわからないところもあるけどね。)「身体のないものが、踵ばかり畳を踏んでやってくる」というのは、鬼気迫る。しかし、全体的にはそれほど怖くなかったな。

2012年10月3日水曜日

ピアニストの脳を……

古屋晋一『ピアニストの脳を科学する』(春秋社)読了。新しい発見はなし。まあしかし、感覚的にわかっていることを数量的に科学的に表現することは、意味のないことではないだろう。しかし、聴いた音をすぐに演奏できるとか、暗譜の方法については、異議あり!(つまり、少なくとも私は違います。)(しかし、どこまでがプロのピアニストで、どこまでがアマチュア、どこまでが「しろうと」という、線引きはむずかしそうだね。)

2012年10月1日月曜日

ケージ/ビートルズ

今週土曜日の京都コンサートホールでのケージ/ビートルズ。やっと昨日から、そろそろ本腰入れて練習をしなければと。しかし、今日はチャートを作って「勉強中」(?!)。