2011年10月31日月曜日

Yumi Nara chante Séverac

ゆみさんの歌ったセヴラックCDについてのフランスの新聞記事をピエール・ギヨー先生が送ってくださいました。ありがたや……。
Voici l'article français relatant les activités de Yumi Nara, surtout concernant notre CD Séverac, envoyé obligeamment par le Professeur Pierre Guillot.

『主題と変奏』

吉田秀和『主題と変奏』を読み直す。(もちろん賞を頂いたからでありますw。)確かに当時の音楽批評の質を格段と押し上げたんだろうなあ、と感心。最初に読んだ時はそんな時代的なことは考えもしなかったから。変なディテールに反発したりして。しかし今回これもまたよし、と。しかし、中原中也と一緒にシューマン協奏曲を聴いていたというのは再発見!「汚れっちまった悲しみに黄色い戦争ありまして波も少しはあるでしょうホラホラこれがぼくの骨だetc. etc.」

2011年10月30日日曜日

スコラ

NHK-Eテレの坂本龍一『スコラ』(毎週土曜夜11時から)を見た。昨日は印象派第一回。うまくドイツ風構築的音楽とフランス印象派音楽の違いを説明してくれていて、授業にでも使えそうだなと思った。ガムラン実際体験はとてもよいですね。これは同女の授業ではできないなあ。ぼく自身が芸大に紛れ行ってガムランを叩いたことを思い出しました。其他雖在所思不言而華也。
PS:Je t'ai vue, Momoka ! Bravo, bien joué !

2011年10月29日土曜日

帰芦

帰りがけ東京駅地下でこんなものを発見。
つい買ってしまいました。
En rentrant, au sous-sol de la gare de Tokyo, je l'ai trouvé et acheté. Nid d'abeilles...

日仏会館

昨夜のセヴラック歌曲コンサート会場。おかげさまで盛会のうちに終わることができました。濱田滋郎さんも来て下さっていたそう。みなさんありがとうございました。

2011年10月26日水曜日

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ただいま会場である日仏会館でのリハーサル終わったところ。しかし日仏会館で十分に宣伝されなかったのか、会館当局もなんと奈良ゆみさんまで「入り」が悪いのではないかと気にしています。というわけで、再び宣伝。
10月28日(金)19:00より「セヴラック歌曲とシャンソン」(ソプラノ:奈良ゆみ、ピアノ:椎名亮輔)於:東京日仏会館ホール(恵比寿)
皆様お誘い合わせの上、おいでください。

L'avant-garde musicale à Paris de 1871 à 1939

Michel Duchesneau, L'avant-garde musicale à Paris de 1871 à 1939, Mardaga, 1997 を読んだ。著者はカナダ在住のオーボエ奏者だそうだ。1994年に Université Laval に提出された博士論文。ラヴァル大学というのはカナダ最古の大学のようですね。知らなかった。これまで国民音楽協会(la Société Nationale)や独立音楽協会(la Société Musicale Indépendante)については、まあそこそこ知識はあったけれど、その後に活動していた二つの団体、セレナード (la Sérénade)とトリトン(Triton)というのはよく知らなかったので、面白かった。しかしちょっと似たような(あるいは全く同じ)記述が多過ぎる。これはワープロのコピペの弊害ですね。これから頼まれて、戦前ドイツで活動した貴志康一についての本の書評をしなければならないのだが、同じ頃のこれらフランスの音楽団体の中にも一人日本人の名前があって驚いた。1922年2月2日の独立音楽協会のコンサートに、Yoshinori Matsyama という人の des chansons populaires japonaises が演奏されたというのだ。だれ?

2011年10月24日月曜日

奇談異聞辞典

柴田宵曲編『奇談異聞辞典』(ちくま学芸文庫)読了。読み終わるのがもったいないくらいでした。素晴らしい!「共同幻想論」は全然、『遠野物語』だけに依拠する必要がなかったわけだ。日本中、共同幻想だらけである。

いまどきフランス音楽コンサート

そしてルドン展の後は「いまどきフランス音楽コンサート」と題された森本ゆり(Pf)・畑中明香(perc)・改發麻衣(perc)さんのコンサート。後二者は同女打楽器の卒業生。曲はエマニュエル・セジュルネ《火をお持ちですか》、アラン・ゴーサン《アルカーヌ》、 クセナキス《プサッファ》、ティエリー・ド・メー《机の音楽》、ジョルジュ・アペルギス《ル・コール・ア・コール》、モーリス・オアナ《エチュード12》(それぞれ原題:Emmanuel Séjourné, Vous avez du feu ?, Allain Gaussin, Arcane, Iannis Xenakis, Psappha, Thierry De May, Musique de tables, Georges Aperghis, Le corps à corps, Maurice Ohana, Etudes d'interprétation XII)。なかなかの熱演であった。クセナキスやアペルギスを暗譜で演奏するなど結構がんばっているな、との感。後はフランス語をもう少し頑張ろうね。セジュルネとドメーは初めて聴く作曲家(名前も曲も)。ケージや実験音楽系の影響が明らかで面白い。でもきちんと構成された音楽になっているところが「ヨーロッパ」なんでしょうね。机を手で叩いたり擦ったりするするだけでカノンをするところは「伝統」!かな?
成田先生も来ていたけれど、ぼくは細川周平さんを誘ったのだった。彼は嵯峨で念仏狂言を見て来たと言って遅れて来た。コンサート後は三人でぶらぶら帰り、成田さんは帰宅。周平さんとぼくは「受賞祝い」ということで、彼の行きつけの天ぷら「有馬」へ。非常においしかった。天ぷらは言うまでもないが、宮崎出身の御主人の裏メニュー「冷や汁」に感激!

ルドンとその周辺


京都駅の「えき」美術館に「ルドンとその周辺」展を見に行った。わざわざ行ったのでなくて、その後のコンサートの前にちょっと時間があったので寄ったのでした。やはりいつみてもルドンの作品はどれも味がある。しかし発見もあって、展示作品の中にはリトグラフが多かったのだが、中にいくつか献辞が書き込まれているものがあって、オクターヴ・モース宛があった。説明ではベルギーの「二十人会」を組織した、としかなかったが、彼こそが「自由美学」演奏会シリーズの立役者である。ダンディをはじめ、セヴラックなどスコラの作曲家たちの多くの作品がここで初演された。今度出るアルテスの雑誌にルドンとセヴラックの関係について書いたけれども、ここでも間接的に彼らの関係が明らかになっている。もう一つの発見は、ギュスターヴ・モローからのルドンへの影響。オルフェの絵があって、それがまさしく竪琴にオルフェの首が乗っているというモローと同様の構図。しかしこれはそのようなイコノグラフィーが他にもあるのかも知れない。

モローのオルフェはこう。実はぼくはこれのカルコグラフィーを持っていて、家のプレイエルの下の壁に立てかけてある。

2011年10月22日土曜日

セヴラック評

小沼純一さんが素晴らしい批評を書いてくださいました。

ジャクリーヌ・コー映画上映のチラシ

奈良ゆみさんインタビュー

セヴラックCDでソプラノを歌ってくださった奈良ゆみさんのインタビューがYouTubeにアップされていました。
http://www.youtube.com/watch?v=Qb6Fne-Ep-4
録音時のエピソードなど興味深い話を聞くことができます。

2011年10月20日木曜日

カウール・ダスプリー

セヴラック研究のもうひとりの権威(ギヨー先生と並んで)ジャン=ベルナール・カウール・ダスプリー氏と連絡がつく。なんでも資料は持っているので、協力は惜しまない、と言ってくれた。今後の研究補遺の貴重な助っ人になってくれそう。

2011年10月17日月曜日

ラジオ出演

生まれて初めてのラジオ出演。昨日東京半蔵門にあるFM東京で収録。放送についての詳細はこちら。

トランス・ワールド・ミュージック・ウェイズ
ゲスト:椎名亮輔  聴き手:田中美登里
テーマ:デオダ・ド・セヴラック/南仏の風、郷愁の音画
10月23日(日)5:00~5:45 TOKYO FMradiko.jp(インターネット首都圏限定)
10月22日(土) 28:00~29:00 K-MIXFM静岡)

10月23日(日)10:00~11:00 MUSICBIRD Cross Culture111
10月24日(月)23:00~24:00 MUSICBIRD Cross Culture111


MUSICBIRD THE CLASSIC
「ウィークエンド・スペシャル」~デオダ・ド・セヴラックCDコレクション①
124日(日)18002400 再放送1210日(土)12001800
ゲスト:椎名亮輔   (音楽トータル・タイム  4時間半~40分)
MUSICBIRD THE CLASSIC
「ウィークエンド・スペシャル」~デオダ・ド・セヴラックCDコレクション②
1211日(日)18002400 再放送1217日(土)12001800
ゲスト:椎名亮輔    (音楽トータル・タイム  5時間半~40分)


MUSICBIRDTOKYO FMグループの高音質CS衛星デジタルラジオ。
クラシック、ジャズなどジャンル別に多数のチャンネルがあり、   
これを聴くには専用のチューナーとアンテナが必要。
お問合せは03-3221-9000
昨日は日曜日ということで、駐車場脇の裏口から入場。収録は4階の小さなスタジオで。入り口がわからず、田中さんに電話をして正面に迎えに来てもらった。録音は武藤智子さん。少し遅れてアルテスパブリッシングの木村元さんも到着。スタジオからは真下に皇居が見え、遠くには例のスカイツリーまで見えた。肉眼で見るのは初めてだ。打ち合わせをした後、すぐに録音。田中さんの巧みなリードで、多少吃りつつも(笑)無事に三種類の番組を収録。しかし、話していると突然大事な単語をど忘れしたりするものですね。いやはや……。終わる前から、吉田秀和賞の授賞式などの相談をするために、水戸芸術館の藤井さんと大津さんが来ていた。収録終了まで木村さんが相手をしてくれていた。そして、終了後彼らといろいろと話をして、田中さんに挨拶をしてFM東京を出る。近所の喫茶店で木村さんと話をした後、目黒に移動。奈良君と関口君に久しぶりに会う。何と奈良君は目黒駅前に二つも事務所を持っていると言う。そして今日は朝から神戸に帰還。少々疲れました。

2011年10月15日土曜日

移動中

FM東京ほかの収録のためにただいま東京へ移動中。新神戸駅で福島さんと会う。

2011年10月13日木曜日

吉田秀和賞

拙著『デオダ・ド・セヴラック − 南仏の風、郷愁の音画』(アルテスパブリッシング)が、第21回吉田秀和賞を受賞しました。みなさん、ご声援どうもありがとうございました。

2011年10月11日火曜日

さかしま

ユイスマンス『さかしま』(澁澤龍彦訳、河出文庫)を読み返す。彼とセヴラックはパリのルドンの家で知り合ったのだった。けっこう彼らの共通点があって、特にラテン文学とカトリックの教養は興味深い。ユイスマンスがこんなに多くラコルデールについて言及していることは覚えていなかった。ラコルデールは、セヴラック(のみならず彼の父や叔父も)が卒業したソレーズ士官学校の創設者(というより中興者)の一人である。

2011年10月10日月曜日

ハーブ園

布引の滝の後には、ハーブ園へ。けっこうな人出であった。ドイツフェアというのもあって、ドイツビールが飲めると期待したが、あっさりはずれ。すべてドイツ製品は売り切れ。仕方なくアサヒビールを飲む。それでもやはり絶景のまえで飲むビールはうまい。ハーブエキスなど求め、ぶらぶら園内を降りて行く。いつも気になるのがこの花。

Guerlain L'Heure blue に使われているらしいが、要確認。その他、ラヴェンダーはまったく枯れていたけれど、セージの類いがきれいに咲いていました。
そしてもちろんコスモス。

布引の滝

布引の滝に行って来た。新神戸駅の一階から駅舎の下をくぐって、山の方へ登って行くのである。まずこんな道標が。
それを越えて橋を渡るとすぐにどんどんと上り坂になって行く。すぐ見えて来るのが雌滝という。
それをまた過ぎてどんどん登ると、階段やら坂道が急になって続いて行くが、それもこの流れの削った渓谷の中なので薄暗い。そしてしばらく行くと雄滝に到着。
これは下の雌滝に比べて規模も何倍も大きく、非常に高い所からいく段にもなって水が落ちて来る。滝壺を眺める場所の左手奥には不動を祀った場所があり、その手前に「涙石」があり「行平」の文字も読める。これは在原行平の歌「こきちらすたきのしら玉拾ひおきて 世のうきときのなみたにそかる」にちなむらしい。(写真は縦になっています。)

2011年10月9日日曜日

金木犀3

やっとベランダの金木犀全体が花を咲かせ始めました。

Acousmatic Concert

「関西の電子音楽の現在形」(同志社大学寒梅館)に行って来た。同志社女子大音楽学科の先生たちの作品を集めたもの。
檜垣智也『船上のプレリュード』『インコーポレアル』はフェラーリの「逸話的音楽」の正嫡という感じか。考えさせるのは、日本語の言葉の「近さ」。これは母国語ということから来るか、あるいはもっと音響学的なこと(デジタル/アナログ)か、あるいは……。
石上和也『淤母陀流神への奉納曲』はそのフォルムの不思議さが聴かせる。最後のミニマル的部分(タカタカタタカタカカ)は印象的。
清水慶彦『白傘蓋陀羅尼によるインヴェンション』はチェロと録音された音響との共演。非常に巧みに書かれている。この曲も最後のチェロのソロが印象的。
休憩を挟んで、RAKASU PROJECT『1無題/2みかか/3見えない音』。2の電話インターネット音は何だか懐かしい。最後の音響を「話し中」のツーツー音にしてフェイドアウトして欲しかった。他2曲は光センサーを使ったライヴエレクトロニクス。これは非常に面白い。光の相(時間的要素)の上に色も音響の変化に関係があるらしい。スペクタクル性を開発すると非常に面白そう。
葛西聖憲『1Etude des sons homogènes 1999/2Etude 2006』はフルートとヴァイオリンの音を基にした作品。良くも悪くも非常に巧みなメチエのある作曲家の作品だ。同じことは次の成田和子『ミュジコラマ2011』にも言える。要は素材が楽器音か、録音された具体音かの違いだけである。ただ成田作品の最後(『祈り』)に多少の冒険が感じられる。

2011年10月7日金曜日

eRikm & Luc Ferrari, Visitation

J'ai écouté eRikm & Luc Ferrari, Visitation, que Brunhild m'a donné ce été.  C'était bien, ça me fait penser à beaucoup de choses : relations entre le dehors et le dedans, relations entre Luc et eRikm, et aussi relations entre ces choses-là et moi, écouteur pas très innocent... etc. etc.  エリケムのこの作品『ヴィジタシオン』はフェラーリの『ほとんど何もない第二番』と彼の録音をミックスしたものだ。さまざまな関係性が絡み合って非常に面白い作品に仕上がっている。

歌曲CD

そうそう言い忘れていたが、音楽の「内」(『狂気の西洋音楽史』)と「外」(『セヴラック』)の間を繋ぐのが、ゆみさんと録音した歌曲のCD(『セヴラック:歌曲と古いシャンソン』)ということ。つまり「歌」であり、「実践」である。

2011年10月6日木曜日

音楽のカルチュラル・スタディーズ

マーティン・クレイトンほか編『音楽のカルチュラル・スタディーズ』(若尾裕監訳、アルテスパブリッシング)読了。ぼくが普段から考えていることと余り違わないことがほとんどであった。しかし、自分の考えを考え直してみるいい機会にはなって、結局『狂気の西洋音楽史』は「西洋音楽」の「内側」からの、『セヴラック』は「外側」からのアプローチであるということに気がついた。その他にも、この二著は、さまざまな点で補完し合っている(内と外、客観と主観、学問的語りと小説的語り、等々)。その他には、一点、音楽心理学という学問がそれほど当てにならないものでもなさそうだ、ということ。でもどうかなー……。

2011年10月5日水曜日

Trans World Music Ways

FM東京の番組「トランス・ワールド・ミュージック・ウェイズ」の田中美登里さんからセヴラック特集をやるのでゲスト出演してくれないか、と。23日(日)に放送予定らしい。みなさん聴いてくださいね。Midori Tanaka de Trans World Music Ways (FM Tokyo) m'a invité de parler de Séverac dans son emission. Elle sera diffusée le dimanche 23 octobre.

人間ドック

人間ドックに行って来た。これがストレスで、病気になりそうです、これって?
Le check-up : c'est très stressant, tellement que ça me rend malade...

2011年10月1日土曜日

高橋聖子パイプオルガンコンサート

高橋聖子パイプオルガンコンサートを新島記念講堂で聴いた。曲目はバッハのヘ長調の《トッカータとフーガ》、クープランの《修道院のミサ》よりいくつか、リストの《BACHの名による前奏曲とフーガ》、休憩を挟んでアランの小曲二曲とヴィドールの《交響曲第5番》。やはりクープランはいいですなあ、独特の雰囲気がある。少し彼の Leçons de ténèbres を思わせる部分もあり。ヴィドールはやはりなくもがな、かな?でも第二楽章の中間部でなんと!「待ちぼうけ」の前奏が聞かれますぞ!

金木犀2

と思ったら、自宅ベランダの金木犀も香っているので、よーく見たら咲いていました。

でもこれはこの一ヶ所だけなんです。他の場所はまだまだ固い蕾なので、何だか変な感じです。これもまた異常気象の結果か?他の大部分の枝はこんな感じの蕾(でさえない芽)。